お座敷一間

上京してきてX年目の社会人が、少しずつ手の届く自分の一間を広げていきたいブログ

【洋画】トゥルーマンショー

速攻二回目見ました。好き。

なんか表情のメリハリとかただもんじゃないなと思ったけど、ジム・キャリーってコメディアンなんですね。なるほど。

パンチのあるどんでん返し!ってわけではないかもだけど、すごい脚本が練られていて、見応えがある。


以下ネタバレ注意



ざっとあらすじ。

トゥルーマンはとある街から出たことがない。保険会社に勤め、結婚した普通のサラリーマン。
でも、実は生まれたその瞬間から一挙手一投足を撮影され、24時間365日国中の人が見る番組で上映されている、「トゥルーマンショー」の主人公だった。
周りにいる人はすべて脚本に従う役者やエキストラ。天気や太陽すら操る壮大なセットの中で、彼一人がそれを知らずに暮らしている。

天気がおかしなことになったり、脚本無線をラジオが傍受してさも予言みたいになったり、街から出ようとすると火事や原発事故が起こって行く手を阻んだり、死んだはずの親父が生き返ったり。

ついに彼はカメラを欺き、水恐怖症をのりこえて船で脱走。嵐の果てにセットの最果てに辿り着く。

ラストがすごい綺麗。

真っ青な壁に階段があって
上がったところにドアがある。

「おはよう。そして、会えなかった時のために、こんにちはとこんばんは。」

そういって彼はセットから出て行く。





あらすじだけみちゃうとへーって感じなのですが。
二回目みるとあー、みたいなシーンがいっぱいあって良い。

ラスト、映画監督のクリストフとトゥルーマンが話すのですが、クリストフは空から音声を飛ばすので、さながら神。

ひょっとすると自分も撮影されて誰かのために消費されてるのかもしれないし、または誰かの人生の脚本を書いて神になるようなこともあるのかもしれない。

脱出へのプロセスや努力の厚みを考えると、ショーシャンクの空のようなカタルシスはないけれど。
例えば自分が全て撮影されていて、その監視の檻から出るという選択があれば
ほぼ100%の人はそうするだろう、と思う。

それでも真っ青な空の絵の壁一面に、ぽかんと浮かんだ階段とドア。そこを開けてどこか外へでていく主人公の絵面は、綺麗だなぁと思わざるを得ない。


レビューで面白かったのは、映画監督クリストフというユダヤ人が、トゥルーマンというアングロサクソンを思いのままにしているメタファーだという指摘。

最後ブチ切れてもいい局面で、逆らうことなくただその場を離れることしかできなかったアングロサクソンのヘナチョコ具合を、ユダヤ人が嘲笑っているのだというもの。

へー、くらいではあるのだが笑、でも確かにあそこはにこやかにドアからでる場面だったのかといわれると、違うかもしれない。

泣きながら外の世界への恐怖を訴えるかもしれないし、怒りながら神を倒そうとするかとしれない。

ただ、お辞儀をするだけで映画を締めることができたのは、ジム・キャリーの演技力なのだとおもう。