お座敷一間

上京してきてX年目の社会人が、少しずつ手の届く自分の一間を広げていきたいブログ

【洋画】ウォッチメン

すごい好き。レビュー見て長いとか、アクション少ないとか色々書かれてて、あー確かに長かったな的なのは終わってから思った。

正義ってなんなの?という命題がゴリゴリと太い線で描かれていて、それを表現し切ったその骨太さは見応えがあり。


全人類の敵として仕立て上げられ、結果世界を結束させたミスターマンハッタン。
その作り物の平和を暴露するという己の正義を通そうとするロールシャッハ。

かりそめでも平和は平和。ロールシャッハはミスターマンハッタンの正義の前に倒れる。ここは割とマジで衝撃的でした。ヒーロー同士が殺し合うっていう。

そしてナイトオウルがオスマンディアスに八つ当たりするっていう。清々しいほどクズなんですが、大体の人はナイトオウルなんでしょうね。なんか誰かの奸計があれば邪魔したいし、恋人の元彼も止めようとするし、友達にも死んでほしくない。何も選べないまま、ただ暴力と、そして世論の権威に流され、全部失って敵だと思ってたオスマンディアスに八つ当たりするくらいしかできない。
ちょっとヒーロー活動して、やったね!つって女の子とイチャコラこいて。彼のスケールはそこまで。常人を凌ぐテクノロジーを手にしても、精々消防隊員。

見てて腹立ちます。でも自分もそう。

いや、ホントに正義ってなんなんでしょうね。
その試験紙となるのがロールシャッハの行動をどう捉えるか、ロールシャッハテストっていうのがまた効いてます。

自分ならあの場はオスマンディアスの案に乗っただろうけど、ロールシャッハを殺す事ができたかと言われると、それは無理だったろうと思います。何らか世に出てしまったらそれはそれで何とかする、と考えたかもしれない。でも、それって結局世に出た事実を知らしめたいロールシャッハと殺し合いになったんだろうな。その時また後悔するんでしょう。そんな続編を作る映画はゴマンとあった。ロールシャッハをあの場で仕留めた、その点がこの映画の本当にすごいところなのだと思います。