帰ってきたヒトラー
めちゃくちゃ作り込まれた作品だと感じた。
ヒトラーほど頭の良い人ならきっとマジで状況理解して民衆から状況きくところからスタートしそうだし、プロパガンダとして政治の番組をつかいそう。沈黙の価値を理解しているのだ、から始まるあの演説シーン。カッコよかった。
と思ってしまうほど、演説のうまさと揶揄。扇動かくありき。
モザイクが生々しいインタビューシーン。もっと反発があるのかと思ったら、ああ、そういう撮影ね?みたいな質疑。まぁそうなるよな。実際そうだし。
絵を描いてたときぐらいだったような。批判的なセリフ。
実際それを元にSNSで話題沸騰、超クール!とかいう人がいたり、なんだかわからないけど不安だわとか言い出す人がいたり、なんかそれでバズりまくるのも想像できる。
実質的には現状が悪いことの指摘でしかなくて、テレビでとりあげられるのは大したことない質疑だけ。あんたが政権とったらユダヤ人は殺されるの?とかまで、コメディアンの枠だからか、テレビ的なタブーだからか、触れられない。
そりゃそうか。
そうやってコメディアンとして名を馳せ、(道化にもなるさという発言もすげーなとおもった)裏では極右政党とかにも乗り込んでいる。
フェイスブックで党員募集して、根性合宿なんてマジでやりそう。
やられたら怖いこと、が描かれていて、これをドイツで作ったのはすげーなーと素直におもう。
ラストのヒトラーとのタイマンは、んんんんんんーん!という感じ。
選んだのは国民だ。悪いのは国民か?選挙制度か?私もまた国民だ。たたたたたたしかにー。
悪いばかりではない、よいこともあったろう。
この人たぶん勝てねーなとマジでおもう。自分がユダヤ人じゃないかぎり。
私は知ってる!あいつはコメディアンのようでいて、人殺し!同じことを言ってる!
あのユダヤ人のババアにもっとガツンと言ってやればよかった!血は薄いから体が勝つだろう。
この辺に狂気がちゃんと滲み出てるという。
ラストに告発側が精神病棟ってのもなんかこう。ぐぬぬとおもう。
グッバイレーニンより恐ろしい問題点をポップに書き出してた。